地方企業のリアルIT相談室 第75回

結局、誰に頼むかなんだよな。

できる人は増えた。でも、任せられる人は増えたのかな。

最近、仕事の話をしていると、ますます「何屋なの?」と聞かれることが増えた気がする。

Webもやる。

システムも見る。

サーバーも触る。

AIの相談も受ける。

困ったら現場にも行く。

必要なら業者との間にも入る。

自分でも、まあ分かりにくいと思う。

昔なら「Web制作会社です」とか、「システム開発です」と言えば、それなりに話は通じた。

でも今は、Webサイトなんて自分でも作れるし、AIに聞けばコードだって出てくる。

ちょっとしたシステムなら、ノーコードでも作れる。

調べ物も、文章も、画像も、資料も、それなりのものがすぐできる。

「できる」という意味では、本当に便利な時代になった。

だから最近は、何ができるかを並べても、あまり意味がない気がしている。

僕よりWeb制作が得意な人なんて山ほどいる。

僕よりプログラムが書ける人もいるし、AIに詳しい人もいる。

デザインだけなら、僕より上手い人の方が多いと思う。

それでも、たまに昔のお客さんから電話がかかってくる。

「これ、どうしたらいい?」

だいたいそんな話だ。

Webのことかと思ったら、パソコンだったりする。

システムの相談かと思ったら、業者との話の進め方だったりする。

AIを使いたいという相談だったのに、話を聞いているうちに「それ、AIじゃなくて業務の整理からですね」となることもある。

結局、僕の仕事って何なんだろう

昔みたいに、肩書きで説明できる仕事ではなくなってきた。

でも、現場では案外それでいいのかもしれない。

困りごとって、最初からきれいに分類されていないからだ。

これはWebの問題です。

これはシステムの問題です。

これは経営の問題です。

そんなふうに分かれて相談が来ることなんて、ほとんどない。

「なんかうまくいかない」

だいたい、そこから始まる。

だから、ひとつの分野だけ詳しいより、話を聞いて、どこが詰まっているのかを探して、必要なら詳しい人につなぐ。

自分でやるところと、人に任せるところを決める。

そういう役割の方が、僕には合っている気がする。

何ができるかより、誰に頼むか

若い頃は、もっと専門性を持たなきゃいけないと思っていた。

何かひとつで「この人」と言われないとダメなんだと思っていた。

でも、ずっと仕事をしてきて思うのは、最後は案外そこじゃない。

困った時に誰へ電話するか。

分からない時に誰へ聞くか。

大事な仕事を誰と一緒に進めるか。

結局、仕事って「誰に頼むか」なんだよなと思う。

もちろん、だから僕に頼んでください、なんて話ではない。

そんなことを書き始めたら急に営業っぽくなるし、僕自身そういうのはあまり好きじゃない。

ただ、何かあった時に「あいつに聞いてみるか」と思い出してもらえる人ではいたい。

何ができます、ではなくて。
何かあったら相談できる。

そんな立ち位置で仕事が続けば、それで十分なのかもしれない。

……まあ、それだけじゃ仕事が増えないのが困ったところなんだけどね。