子どもの頃、鉄腕アトムや人造人間キカイダー、
電人ザボーガーに夢中だった。
鉄腕アトムは人間のように考えて空を飛ぶ。
キカイダーには良心回路があって、
ザボーガーなんてバイクがロボットに変形する。
もちろんドラえもんもそうだ。
あんなロボットが本当にいたら面白いだろうなと、
子どもながらに思っていた。
それから50年ほど経った今、
300万円程度で購入できる人型ロボットが
登場しているという話を目にした。
300万円? 自動車を買うくらいの金額じゃないか。
もちろん、アトムのように何でもできるわけではないし、
まだまだ実験的な部分も多い。
それでも、あの頃の漫画や特撮の世界が、
ずいぶん身近になってきた。
なんだか面白い時代になってきたなと思う。
今度はAIが動き始めた
この数年、生成AIの進化には本当に驚かされている。
文章を書かせたり、画像を作らせたり、
プログラムを組ませたり。
僕も仕事で毎日のように使っている。
ただ、便利になったとはいえ、
相変わらずポカミスもする。
何度も修正させているうちに、
こちらが疲れてしまうことだってある。
そんなAIが、今度はロボットを動かすようになってきた。
フィジカルAI
カメラやセンサーで周囲の状況を把握し、
AIの判断をロボットなどの動きにつなげる技術のこと。
これまで画面の中で文章や画像を作っていたAIが、
実際に歩いたり、物をつかんだり、運んだりする。
もっとも、今の人型ロボットが
何でも自分で判断して動けるわけではない。
人が操作するものもあれば、
決められた作業しかできないものもある。
それでも、AIが現実の世界で動くというのは、
なかなか大きな変化だと思う。
300万円という価格が気になる
僕が一番驚いたのは、やっぱり価格だ。
300万円といえば、決して安い買い物ではない。
でも、企業が導入する設備として考えたら、
手が届かない金額でもない。
工場で使う機械なら、
もっと高額なものはいくらでもある。
もちろん、ロボット本体を買えば
それで済むわけではない。
動かすための設定や保守、故障への対応、
安全対策も必要になる。
価格だけでは判断できない
300万円の人型ロボットが、
人間一人分の仕事をこなせるわけではない。
実際に何ができるのか、どこまで安定して動くのか。
そこはきちんと見なければならない。
でも、これが数年後にはどうなっているんだろう。
性能が上がり、価格が下がり、
できる仕事が増えていったら。
人手不足に悩む企業にとって、
ロボットを導入するという選択肢が、
今よりずっと現実的になるかもしれない。
そう考えると、300万円という価格は気になる。
人とロボットが一緒に働く時代
工場や物流の現場では、
すでに多くのロボットが使われている。
ただ、その多くは決められた場所で、
決められた作業をするための機械だ。
もし人型ロボットが、
人間の働く場所でそのまま作業できるようになったら
どうだろう。
人が使っている通路を歩き、
人が使っている道具を扱い、
人と一緒に仕事をする。
もちろん、そんなに簡単な話ではない。
人が近くにいる以上、安全性は何より大切だし、
途中で止まってしまっては仕事にならない。
それでも、今まで人間がやっていた作業の一部を
ロボットが受け持つようになれば、
仕事の進め方は変わってくる。
例えば、10人でやっていた仕事を、
将来は何人かの人と数台のロボットで
進めるようになるかもしれない。
そうなれば、ロボットを管理する仕事も必要になるし、
人間にしかできない仕事も改めて考えることになる。
人手不足を補うだけでなく、
会社の仕事そのものが変わっていくんだろうね。
でも、中小企業の現実はどうだろう
人型ロボットの話をしていると、
ずいぶん未来が近づいてきたように感じる。
でも、実際に中小企業のITをお手伝いしていると、
そんな未来の話ばかりではない。
パソコンが遅い。
今使っているシステムが古くなってきた。
Excelでの管理が限界になっている。
Webサイトを更新したいけれど、
社内に詳しい人がいない。
こうした相談は今も多い。
AIを使ってみたいという話も増えているけれど、
何に使えばいいのかわからないという声もある。
300万円のロボットを買う前に、
まずは今の仕事を何とかしたい。
それが多くの中小企業の現実だと思う。
僕も、いきなり新しいシステムやAIを
導入することが正解だとは思っていない。
今ある仕組みを少し直すだけで、
仕事が楽になることだってある。
逆に、何年も同じやり方を続けていることで、
余計な手間が増えていることもある。
新しい技術を知ることも大切だけれど、
まずは今の仕事をちゃんと見ること。
そこからだと思う。
AIを入れることが目的ではない
最近は、何でもAIで解決できるような広告を
よく見かける。
AIを導入すれば売上が上がる。
営業が自動化できる。
人手不足も解消できる。
そんなに簡単なら、
どこの会社も苦労しないだろうと思う。
僕自身、毎日AIを使っているからこそ、
便利なところも、まだまだ頼りないところも
よくわかる。
AIが得意な仕事もあれば、
人間が確認しなければならない仕事もある。
だから、AIを導入すること自体を
目的にしてはいけないと思っている。
今の仕事のどこに時間がかかっているのか。
何が負担になっているのか。
どこを改善すれば楽になるのか。
そこがわからなければ、
新しい道具を増やしただけで
終わってしまうかもしれない。
これは人型ロボットでも同じことだろう。
ロボットがあるから仕事を任せるのではなく、
任せたい仕事があるからロボットを使う。
順番を間違えたくないものだ。
便利になった分、仕事は減っただろうか
もう一つ気になるのは、
人間の仕事がどうなるかということ。
パソコンが普及して、
インターネットが当たり前になって、
仕事はずいぶん便利になった。
昔なら郵送していた書類も、
今ではメールで一瞬だ。
資料作りも調べ物も、
比べものにならないくらい速くなった。
でも、その分だけ仕事が減ったかといえば、
どうだろう。
以前なら数日待ってもらえたことが、
今ではすぐに返事を求められる。
便利になった分、
仕事のスピードも上がってしまった。
AIやロボットが普及しても、
同じことが起きるのかもしれない。
人間が楽になるための技術なのに、
かえって忙しくなるとしたら、
何とも皮肉な話だ。
せっかくここまで技術が進むのなら、
今度こそ人間が少し楽になる方向に
使っていきたいと思う。
未来の話もいいけれど、まずは今できることから
来年、僕は還暦を迎える。
子どもの頃に見ていた鉄腕アトムやキカイダー、
ザボーガーの世界が、
まさか自分が60歳になる頃に
ここまで現実に近づくとは思わなかった。
これから10年で、
AIやロボットはどこまで進化するんだろう。
考えるだけでも面白い。
ただ、企業のIT活用をお手伝いしている立場としては、
未来の話ばかりしているわけにもいかない。
人型ロボットを導入するのはまだ先の話でも、
今の仕事を少し楽にする方法なら、
すでにいろいろある。
毎日繰り返している作業を減らしたり、
バラバラになっている情報を整理したり、
AIを使って時間のかかる仕事を短縮したり。
何も高額なシステムを導入することだけが
IT活用ではないと思う。
僕が大切にしているのは、
新しい技術を導入することよりも、
その会社の仕事が実際に楽になることだ。
AIが気になっているけれど、
何から始めればいいかわからない。
今の業務をもう少し効率よくしたい。
そんな相談でも構わない。
未来のロボットも楽しみだけれど、
まずは目の前の仕事から。
そのお手伝いができればと思っている。
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「何をどうすればいいかわからない」
という段階でも構いません。
今の状況を伺いながら、
必要なことを一緒に考えます。
