連載|地方企業のリアルIT相談室  第57回

AIが便利になればなるほど、
ちょっと怖いなと思うこと

今日から3連休ですね。

この連載、2日ほど書けませんでした。
毎朝読んでくださっている方、ごめんなさい。

ちょっとバタバタしていました。

まあ、毎日書くと言いながら、
こういう日もあります。


さて、最近またAI関係のニュースをいくつか見ていて、
ちょっと考えてしまいました。

一つは、デジタル庁が進めている
ガバメントAIの話です。

政府でAIを使っていくために、大規模なデータセットを整備して、
AIが使いやすいようにデータを整えていく。

大手企業も参加して、
かなり大きな取り組みになっています。

こういう話を見ると、すごいなと思う反面、

で、実際に使う現場の人たちはどうなんだろう?

と、どうしても思ってしまうんですよね。

僕は昔からシステムの仕事をしてきましたが、
立派なシステムを作れば現場が良くなるかというと、
そんなに簡単な話じゃありません。

作る側は、

これは便利です。
これで効率化できます。

と言う。

でも現場に行くと、

前の方が楽だった。

なんて言われることもある。

これ、ITの世界では昔からある話です。

結局、使う人の話を聞かずに作ったものは、
なかなか使われないんですよね。


そんなことを考えていたら、
今度は大学の話が目に入りました。

教授が学生にレポート課題を出したそうです。

すると、課題を出してからわずか数分で、
1000文字を超えるレポートが次々と提出されてきた。

いやいや。
さすがに数分は早すぎるでしょ(笑)。

どう考えても、自分で調べて、自分で考えて、
自分で1000文字以上書いた時間じゃない。

おそらくAIを使ったんでしょう。

僕はAIを使うこと自体が悪いとは、
全く思いません。

僕だって毎日使っています。

むしろ、仕事ではどんどん使えばいいと思っています。

でもね。
ここでちょっとゾッとしたんです。

この学生たち、そのまま社会人になるんだよな。

会社に入って、上司から、

これ、調べておいて。

と言われる。

AIに聞く。
答えが出る。
そのまま提出する。

お客様から、

これ、どうしたらいいですか?

と聞かれる。

AIに聞く。
出てきた答えを、そのまま伝える。

もし、そんな仕事の仕方が普通になったら、
どうなるんだろう。

もちろん、全部の学生がそうだと言っているわけではありません。

AIを使って効率よく勉強している学生もいるでしょう。

でも、1000文字を数分で出して終わり。

もしそれで「課題をやりました」になってしまうのなら、
ちょっと違うんじゃないかなと思います。

だって、その文章について、

なんでこう考えたの?

と聞かれたら、答えられるんでしょうか。


これは学生だけの話じゃありません。

僕たちも同じです。

僕もAIに文章を書いてもらいます。

アイデアも出してもらいます。
プログラムも書いてもらいます。
調べ物もします。

本当に便利です。

でも、出てきたものを見て、

なんか違うな。

と思うことも結構あります。

そんなときは、

違う違う、そうじゃない。

と、またAIに言う(笑)。

結局、何が違うのかを判断しているのは、
僕なんですよね。

これができなくなったら、ちょっと怖い。

AIが出した答えが正しいのか。

この会社に合っているのか。

このお客様に本当に必要なのか。

それはAIには決められません。


だから、ガバメントAIの話も同じだと思うんです。

すごい人たちが集まって、
すごいAIの基盤を作る。

それは必要だと思います。

でも、その前に。

実際に仕事をしている人に、

今、何に困っていますか?

と聞いたんでしょうか。

僕は、そこが一番気になります。

現場では紙に書いている。

ハンコを押している。

同じ数字を何回も入力している。

ExcelからExcelへ転記している。

そんな仕事がまだまだ残っているのに、
その上にいきなりAIを乗せても、
本当に便利になるのかなと思うんです。

AIを入れることが目的になってしまったら、
昔のIT導入と何も変わりません。


AIは、ものすごく便利です。

だから僕も使います。

これからも、たぶん今以上に使います。

でも、考えるところまで全部任せるのは違う。

AIに聞く前に、自分はどう思うのか。

AIから答えが返ってきたら、本当にそうなのか。

そこは自分で考えたい。

便利になればなるほど、
そこを忘れちゃいけないんじゃないかな。

そんなことを、最近のニュースを見ながら思っています。

さて、3連休。

僕も少しゆっくり……

できるかな(笑)。