連載|地方企業のリアルIT相談室 第29回

もう夏か。

なんか最近、わけ分からんな。

そんなことを思うことが増えました。

Gmailを開けばAIがメールのやり取りを要約してくれる。

PDFを開けば資料のポイントを教えてくれる。

検索すればAIが答えをまとめてくれる。

少し前までは、「AIを使う」という感覚がありました。

ChatGPTを開く。

Geminiを開く。

自分で質問する。

でも、それって昔の話じゃないんです。

ほんの数か月前までの話です。

気づけば、「AIを使っている」という感覚すらなくなってきました。

便利になったはずなのに、どこまでがAIで、どこからが自分で考えたことなのか、少し分からなくなる瞬間があります。

正直なところ、便利だなと思う反面、

「これ、俺たちバカにならんかな。」

そんなことを考えてしまう自分もいるんです。

最近、Gmailを開くと、長いやり取りをしているメールの内容をAIが要約してくれるようになりました。

「これまでの経緯」

「今の論点」

「次に対応すること」

数十通のメールを読み返さなくても、数行で整理してくれる。

PDFも同じです。

分厚い資料を開けば、

「この資料のポイント」

「重要な内容」

「次に確認すべきこと」

そんな要約が先に表示されることがあります。

正直、便利です。

CCだらけのメールや、100ページを超える資料を前にすると、「助かるなぁ」と思います。

仕事のスピードも上がるし、抜け漏れも減るかもしれない。

でも、そんな便利さを感じながら、ふと頭をよぎったことがありました。

「これ、俺たちバカにならんかな。」

もちろん、AIを否定したいわけではありません。

僕自身、毎日のように使っています。

文章のたたき台を作ったり、調べものをしたり、要点を整理したり。本当に助けられています。

でも、要約を読んでいるうちに、

「ちゃんと読んだ気になる」

ことはないだろうか。

契約書の小さな注釈。

仕様書の注意書き。

お客様の遠慮がちな一言。

「なんか引っかかるな」と感じる違和感。

そういうものって、案外、綺麗にまとめられた要約からこぼれ落ちることがあります。

要約を見ることと、理解することは違う。

そんな当たり前のことを、最近よく考えるようになりました。

気づけば、六月も後半です。

ついこの前、「あけましておめでとうございます」なんて言っていた気がするのに、もう夏の気配を感じるようになりました。

「もう夏か。」

今年の前半、何をやってきたかな。

思うように進まなかったこともあったな。

あれは頑張ったな。

後半はどうしていこうかな。

AIは情報を整理してくれます。

でも、自分の半年を要約してくれるわけではありません。

何に悩んで、何に迷って、誰に助けられて、何を大切にしたのか。

そういうことは、自分で振り返るしかないんだと思います。

便利な時代だからこそ、少しくらい立ち止まる時間があってもいい。

要約ではなく、自分の言葉で考える時間。

そんな時間を持ってみるのも悪くないかもしれません。

気づけば、もう夏。

そんなことを考えながら今日も現場へ向かいます。