連載|地方企業のリアルIT相談室 第44回

AIで作っただけの提案書は、すぐに分かります

前回までAIの話が続いてしまってごめんなさい。

……と言いながら、今回もAIの話題です(笑)。

でも、それくらいこの数か月で現場が大きく変わっています。毎日のようにAIの相談を受け、自分自身も仕事で使い倒していると、
「これは今だからこそ伝えたい」と思うことが次々に出てきます。

実は先日、Fable 5が復活しました。7日までは無料で使えるということで、
「さて、どこまで使い倒せるかな」と少しワクワクしています。

ChatGPT、Gemini、Claude、Fable 5。

同じ依頼をしても返ってくる内容はそれぞれ違います。
最近は仕事をしながら、「この作業はどのAIが一番得意なんだろう」と比較することも増えました。

そんな中で、現場で気になることがあります。

AIで作ったことが伝わってくる資料や提案書が、本当に増えました。

先日も資料を見せてもらう機会がありました。

見た目はきれいです。

文章もよくまとまっています。

でも読み進めると、どこかで見たような表現ばかりで、その会社らしさが伝わってきません。

「一度AIで添削してみますね。」

そう言って別のAIに読み込ませると、「ここは具体例があった方がいい」「この部分は抽象的すぎる」と、
次々に改善案が返ってきました。

AIで作った資料を、別のAIで添削する。

そんな時代になったんだなと、少し不思議な気持ちになりました。

ホームページから届くお問い合わせも変わってきています。

以前は、一生懸命書いてくださったことが伝わるお問い合わせが多かったように思います。

ところが最近は、「これもAIなのかな」と感じる文章が目立つようになりました。

丁寧に書かれているのですが、こちらのホームページを読んだ形跡がありません。

会社名だけを差し替えて、AIが自動で何十社、何百社へ送っているのではないかと
思うような内容もあります。

中には、うちで取り扱っていないサービスについて相談が書かれていることもあり、
「ホームページを見ずに送っているんだろうな」と感じることもあります。

送る側は数秒で済むのかもしれません。

でも受け取る側は、一件ずつ内容を確認し、本当に対応すべきお問い合わせなのかを判断しています。

資料もそうです。

営業メールもそうです。

AIのおかげで作る時間は短くなりました。

でもその一方で、受け取る側の「確認する仕事」は確実に増えています。

便利になるはずだったのに、現場では別の仕事が増えている。

これが、毎日いろいろな会社を回っていて感じるリアルな変化です。

もちろん、AIが悪いと言いたいわけではありません。

僕自身、仕事では毎日AIを使っています。

使わない日はないくらいです。

だからこそ思うのは、AIは完成品を作るための道具ではなく、自分の考えを整理したり、
抜け漏れを確認したりするための相棒だということです。

最後に必要なのは、「この会社のために」「このお客様のために」という視点です。

そこは、まだAIだけでは埋められません。

営業を自動化することが悪いとは思いません。

でも、相手のホームページを5分読むだけで伝わる熱量があります。

その5分を惜しまない人と、AIにすべて任せてしまう人。

これから先、その差はますます大きくなっていくのではないでしょうか。