連載|地方企業のリアルIT相談室 第43回
AIを使う時代から、AIと働く時代へ
ここ数回、AIの話ばかりでごめんなさい。
でも、それくらいこの数か月で仕事の景色が変わってしまいました。
以前、この連載の第31回で「AIエージェントというスタッフを雇ってみた」という話を書きました。
その時は、ChatGPT、Gemini、Claude、Grokなどを使いながら、それぞれ得意なことも違えば、
性格も違う。AIはソフトウェアというより、スタッフに近い。そんなことを書きました。
あの時は、まだ少し先の話を書いているような感覚もありました。
でも、もう違います。
昨日、Fable 5が復活しました。
これでまた、仕事の流れが変わります。
最近の僕は、一つのAIだけで仕事をすることがほとんどありません。
企画を考える時はChatGPTに相談する。情報を確認する時はGeminiを見る。
文章を整える時はClaudeに投げる。別の視点が欲しい時はFable 5にも聞いてみる。
以前なら「どのAIが一番賢いのか」と比べていました。
でも今は、そういう見方ではなくなりました。
営業、経理、制作、総務がそれぞれ違う仕事をするように、AIにもそれぞれ得意な仕事があります。
全部を一人に任せるのではなく、仕事によって相談する相手を変える。
それが、今の僕の使い方です。
ただし、AIに任せれば全部うまくいくわけではありません。
第31回でも書きましたが、AIは知ったかぶりをします。分からないのに自信満々で
答えることもあります。勝手に話を広げることもあります。
だから放置はできません。
指示を出す。
途中で確認する。
間違えたら戻す。
最後は自分で判断する。
これは人に仕事を頼む時と、あまり変わりません。
AIを使う能力よりも、AIを管理する能力の方が大事になってきている。最近は本当にそう感じます。
そして、ここが一番大事だと思っています。
AIが進化すればするほど、人がやる仕事の価値は下がるのではなく、むしろはっきりしていく。
議事録や要約、調査、文章のたたき台、画像の案、コードの補助。こういう作業はAIがどんどん手伝ってくれます。
でも、お客様の顔を見て話すこと。
会社の空気を感じること。
社長が何に悩んでいるのかを、雑談の中から拾うこと。
そこは、まだAIには任せられません。
だから僕は、AIが仕事を奪うというより、AIが人の時間を取り戻してくれると考えています。
AIに任せられるところは任せる。
その分、人に会う。
現場を見る。
最後の判断に時間を使う。
それが、これからの中小企業にとって大事な使い方になるのではないでしょうか。
半年前に「AIをスタッフとして迎えた」と書きました。
そして今、そのスタッフは一人ではなく、チームになっています。
たぶん半年後には、また違う景色になっていると思います。
それでも変わらないことがあります。
AIを使うのは人です。
最後に責任を持つのも人です。
だからこそ、AIが増えるほど、人の考え方や仕事への向き合い方が問われる時代になっていくのだと思います。
技術はこれからも変わり続けます。
でも、人を思う気持ちや、お客様と向き合う姿勢は変わりません。
AIと一緒に働く時代だからこそ、そのことを忘れずにいたいと思います。
