いまやWebサイトの閲覧の大半が、手持ちのデバイス(スマートフォンやタブレット)から。
小さな画面でも“伝わる・押せる・動ける”設計が、成果を左右します。
「うちのホームページ、手持ちの端末で見ると字が小さくて読めないんだよ」と苦笑い。
実際に確認してみると、確かに文字が詰まっていてボタンも押しづらい。
けれど、そのサイトはパソコンで見るととても整っていました。
このように、モバイルでの見やすさが後回しになっているケースは少なくありません。
いまはどんな業種でも、アクセスの大半が手元のデバイス経由。
小さな画面での見え方は、“デザインの延長”ではなく、“運用の基本”です。
情報を伝えるだけでなく、「行動を起こしやすくする」設計が求められています。
今回は、手持ちのデバイスでも「読みやすく・伝わる」ための工夫を、現場での実感を交えて整理します。
閲覧環境の中心は「手元のデバイス」
現在、ほとんどのWebアクセスが手持ちのデバイスから行われています。
にもかかわらず、制作段階ではPC表示を基準に考えてしまうケースが多いのが現実です。
その結果、文字が小さく、ボタンが押しづらく、離脱率が上がってしまうのです。
手元のデバイスは“情報を探すツール”ではなく、「行動を起こすツール」。
問い合わせ・予約・購入など、すべてが数秒で完結します。
だからこそ、構成やボタンの位置、余白の取り方まで“行動しやすさ”を前提に設計する必要があります。
文字サイズと余白の設計
“読みやすさ”を左右するのは、文字サイズと余白のバランスです。
本文の文字は16px以上を基本とし、行間を1.6〜1.8倍に広げると視認性が高まります。
段落ごとに適度な余白を取り、ひと呼吸おけるレイアウトを意識しましょう。
長文を詰め込むと読まれずにスクロールされてしまいます。
「一文一息」のリズムで構成し、見出しや太字を使って“流し読みでも伝わる”ようにする。
これが、読み手の時間を尊重する設計です。
ボタンと導線のタップ領域
手持ちのデバイスで重要なのは、押しやすい導線設計です。
ボタンが小さいと操作ミスが起こりやすく、離脱の原因になります。
ボタンの高さは44px以上を目安に、周囲に十分な余白を確保しましょう。
また、人は右利きの親指で操作することが多いため、ボタンを右下や中央下に配置すると反応率が上がります。
この“指の動き”に合わせた導線設計は、どんな業種にも通じる成果の基本です。
画像とレイアウトのバランス
限られた画面スペースでは、画像の使い方にも工夫が必要です。
大きな画像を連続して配置すると、データ容量が増え、読み込み速度が遅くなります。
軽量化した画像を使い、テキストとのバランスを保ちながら配置しましょう。
また、画像下に短い説明文を添えるだけで、情報の理解度が格段に上がります。
「見せたい写真」よりも「伝わる写真」を選ぶ。
それが信頼を感じるレイアウトの第一歩です。
“ながら見”に耐える構成
手持ちのデバイスでの閲覧は、集中して読むというよりも“ながら見”です。
そのため、長文よりもパッと見で理解できる構成が重要です。
見出しを太く、文章を短く、段落ごとに余白を取る。
これだけで、読後の印象が大きく変わります。
実際の分析では、1ページの平均滞在時間は30秒前後。
その短い時間で伝えるには、文字数を減らすよりも“読みやすさを整える”ことが何より効果的です。
ご相談ください
Webサイトは、手持ちのデバイスの中で“会社を体験する場所”です。
どれだけ良い情報でも、読みづらければ伝わりません。
小さな画面でも気持ちよく伝わる構成を、一緒に整えていきましょう。

