岐阜県でスマート経営アドバイザーを委嘱いただいている、売れるITサービス社 代表の玉田です。
ここ数年、企業や店舗の方からよく聞くのが「もうInstagramやLINE公式アカウントがあれば十分じゃないですか?」というご相談です。
特に岐阜・名古屋エリアでは、若い経営者や個人事業主の方がSNSを中心に集客をされているケースが増えてきました。
たしかにSNSは手軽で、投稿してすぐに反応が得られるのは魅力です。
費用もかからず、日々の活動を身近に感じてもらうには最適なツールでしょう。
ところが実際に現場でコンサルティングしていると、「SNSだけで本当に十分なのか?」という問いが浮かんできます。
なぜ「ホームページ離れ」が起きるのか――SNSが選ばれる理由
- 手軽さ:スマホで写真を撮って、そのまま投稿すれば即時発信できる。
- 低コスト:初期投資や維持費がほぼかからない。
- 身近さ:フォロワーからコメントやDMが届き、双方向のやりとりができる。
実際、岐阜市内の小規模なカフェや美容室では、SNSだけで新規顧客を獲得している例も多く、経営者からすれば「もうホームページは要らないのでは?」と思うのも自然です。
SNSの限界――情報は“流れる”、信用は“積み上がらない”
1. 情報が流れて消える
Instagramの投稿は数日経つと埋もれてしまい、過去の情報を探すのは不便。
求人募集や営業時間の変更などの重要情報も見つけにくくなります。
2. 公式情報としての信頼感が弱い
SNSは「日常の発信ツール」としては便利ですが、会社案内や事業内容を体系的に示すには不向き。
特に取引先や金融機関は、まず公式サイトを確認する傾向があります。
3. 検索に出にくい
SNSの投稿はGoogle検索に引っかかりにくいため、新規顧客が探しても見つからない――集客や採用での機会損失につながります。
ホームページの本質――岐阜・名古屋で効く「信用の土台」
岐阜や名古屋の企業文化では「信用」が何よりも大切。
SNSだけで営業していた企業が「公式サイトが無い」という理由で商談を逃したケースもあります。
ホームページは「名刺代わり」であり、最終的に信頼を担保する場です。
また、AI検索時代のAEO(Answer Engine Optimization)の観点でも、公式サイトで情報を整理し「答えがすぐに見つかる状態」を作ることが必須。
SNSで集めたファンをサイトに誘導し、FAQや実績紹介で信頼を固める流れが重要です。
現場の事例から――“SNSだけ”を卒業した瞬間
岐阜市の飲食店
Instagramで新規来店は増えていたものの、予約や問い合わせは伸び悩み。
サイトに「メニュー一覧」「予約フォーム」「混雑状況の目安」を設置し、プロフィールのリンクをサイトへ一本化。
結果、SNS経由の予約が増加し、リピーターの定着も進みました。
名古屋の製造業
「公式サイトが無いのは不安」という理由で見送られた商談が、サイト整備後に復活。
事業内容・品質管理・主要取引先の記載と、資料ダウンロード導線を用意したことで、大手との商談が前進しました。
地元の学習塾
LINE公式で既存保護者への連絡は十分だったものの、新規入塾者へは届かず。
サイトにカリキュラム・料金表・体験申込フォームを整備し、検索からの問い合わせが増加しました。
役割分担が鍵――“SNS=接点” × “サイト=信頼と答え”
- SNS:日常発信・共感づくり・ファン化・即時性
- サイト:公式情報・比較検討・検索流入・商談/採用の最終確認
両者は競合ではなく補完関係。SNSからサイトへ、サイトから問い合わせへ――この導線をスムーズにすることが成果を左右します。
今日からできる実装チェックリスト
- 各SNSプロフィールのリンクを公式サイト1本に統一(Linktree等の“分岐”は必要最低限に)。
- サイト側に最新情報エリア(営業案内・価格改定・採用)を固定配置。
- FAQを10~20項目用意し、AEO向けに質問文をそのまま見出し化。
- 事例/お客様の声を地域名入りで作成(例:「岐阜市/自動車部品卸 ○○様」)。
- 予約/問い合わせ導線をファーストビューとフッターの両方に配置。
- 画像はWebP化、LCP対策(ヒーロー画像の遅延読込を避ける)。
- 構造化データ(Organization/LocalBusiness、FAQPage)を設置。
- コンテンツ末尾は必ず地名+業態キーワードで締める(検索意図を補強)。
ご相談ください
「SNSからホームページ離れ」という声は聞こえますが、実際の現場では役割分担の再設計こそが成果の近道です。
SNSはファンとの接点、ホームページは信用の土台。
岐阜・名古屋の中小企業にとって、この両輪がもっとも現実的で強いと考えます。