連載|地方企業のリアルIT相談室 第27回
10年後より、3か月後のほうがわからん。
最近、お客様との月例報告でもAIの話になることが増えた。
「ChatGPTってどうなんですか?」
「有料版って使った方がいいですか?」
「うちでも使った方がいいですかね?」
少し前までAIなんて一部の人の話だったのに、今は普通に経営者同士の会話に出てくる。
僕も毎日使っとる。
ブログの下書きを書いたり。
提案書をまとめたり。
ホームページの診断をしたり。
プログラムを確認したり。
だから、「AIなんてダメだ」なんて言うつもりはない。
むしろ、使わんともったいないと思っとる。
ただね。
この半年の進化は、ちょっと異常なんだわ。
ほんの少し前までは、
「便利だけど、まだ下書きかな。」
そんな感じやった。
それが今じゃ、普通に自然な文章を書くし、相談相手としてもそこそこ優秀や。
画像も本物みたいやし、音声だって本人かと思うくらい似とる。
昨日できんかったことが、今日できる。
先月苦手やったことが、今月は当たり前になっとる。
新しいモデルが出たと思ったら、もう次の話題になっとる。
正直、追いつかん。
IT業界に長くおるけど、ここまで変化が早いのは初めてやわ。
だから最近、少し気になる。
小学生が宿題をAIにやらせる。
高校生がAIに犯罪の相談をする。
弁護士でもないのにAIで訴状を作る。
SNSでは、本物か偽物かわからん情報が流れてくる。
これから先、AIはもっと人に近づいていくんやろね。
いや、もう十分近いのかもしれん。
だから怖いのは、「AIが仕事を奪うこと」じゃなくて、「考えることをやめてしまうこと」なんじゃないかなって思う。
AIは便利や。
でも責任は取ってくれん。
「ごめん、間違えた。」
で終わる。
その結果に責任を持つのは、結局、人なんよね。
ホームページの診断だってそう。
AIがこう言ったから、そのままお客様に伝えるなんてことはしない。
本当にその会社らしいのか。
お客様にとっていい提案なのか。
現場の感覚とズレていないのか。
最後は自分で考える。
59年生きてきて、パソコンが広がる時代も、インターネットの時代も、スマホの時代も見てきた。
でも、「次の半年が読めん」なんて思ったのは初めてや。
10年後どうなるんやろ。
そんな話もするけれど、正直なところ、10年後より3か月後のほうがわからん。
たぶん、これからAIは当たり前になる。
使うのも当たり前になる。
だからこそ。
使われる側じゃなくて、使う側でいたい。
便利だからといって、自分の頭までAIに預けたらあかん。
本当にそうなんか。
誰のための答えなんか。
自分はどう思うんか。
そんなことを考える時間は、これからますます大事になる気がしとる。
今日も現場では、いろいろな相談がある。
AIの話も増えた。
正直、3か月後がどうなっとるかなんてわからん。
でも、わからんからこそ、自分の頭で考えることだけはやめたらあかんなって思う。
結局、最後に頼りになるのは、最新のAIでも、高価なシステムでもなく、
「自分で考える力」
なんやろね。
