連載|地方企業のリアルIT相談室 第37回

回覧板から始まった地域のDX

ホームページは、作ることが目的ではなく、困りごとを解決するための手段でした。

昨日は、顧問をしている自治体を二か所回ってきました。

毎月伺っているので、顔を合わせると自然と地域の話になります。

神事の話、自治会費の話、ボランティア団体の話。

地域には昔から住んでいる方もいれば、新しく家を建てて引っ越してきた方もいます。

賃貸住宅に住んでいる方もいれば、一人暮らしの高齢者もいます。

神社の行事を大切にする方もいれば、宗教的な理由で参加しない方もいます。

自治会費を地域のために必要なものだと考える方もいれば、
できれば払いたくないと考える方もいます。

どちらが正しいという話ではありません。

地域には、本当にいろいろな考え方の人が暮らしているということです。

僕自身も昨年、自治会長を務めました。

やってみて初めて分かったのは、自治会というのは思っていた以上に多くのことを
支えているということです。

神社のこと、防災のこと、清掃活動、地域行事、行政との連携。

さらに、参加しなければならないボランティア団体も多くあります。

外から見ているだけでは分からない大変さがありました。

そんな自治体との関わりの中で、最初に相談を受けたのが回覧板でした。

ちょうどコロナ禍の頃です。

人が触れた回覧板を各家庭へ回すこと自体が難しい時期でした。

でも、地域へのお知らせは止めることができません。

そこで、回覧板をきっかけにホームページを作ることになりました。

最初から「ホームページを作りましょう」という話ではありません。

「どうすれば地域の皆さんへ情報を届けられるか。」

その答えの一つがホームページでした。

昨日伺った自治体では、ちょうど夏祭りの準備が始まっていました。

地域の皆さんが毎年楽しみにしている行事ですが、今年は予算を気にしながらの開催です。

物価が上がり、以前と同じことをやろうとしても費用は増えていきます。

それでも、「子どもたちに楽しんでもらいたい」「地域のつながりを大切にしたい」という思いで、皆さん知恵を出し合いながら準備を進めていました。

情報発信も同じです。

お金をかければ解決するものではありません。

回覧板、ホームページ、公式LINE、ブログ。

今ある仕組みを上手に活かしながら、地域に合った方法で情報を届ける。

昨日の打ち合わせを通して、DXとは新しいシステムを導入することではなく、「今あるものを活かして地域を良くする工夫」なのだと、改めて感じました。

今では、公式LINEを上手に使いこなしている自治体もあります。

区長さん自らブログを書き、地域の出来事を発信しているところもあります。

一方で、回覧板も今でも大切な情報伝達の方法です。

若い世代は回覧板を見ないと思われがちですが、実際には若い世代の方がしっかり見ていることもあります。

子どもの行事、防災、地域の予定。

生活に関係する情報だからこそ、きちんと確認しているのだと思います。

だから、紙をなくせばいいという話ではありません。

ホームページだけでいいわけでもありません。

公式LINEだけで全部が伝わるわけでもありません。

紙、ホームページ、LINE、ブログ。

それぞれに役割があります。

これは企業でも同じです。

ホームページを作ることが目的ではありません。

SNSを始めることが目的でもありません。

大切なのは、誰に、何を、どう届けるか。

ITはそのための手段です。

昨日、自治体の皆さんと話をしながら、改めてそんなことを感じました。

自治会や町内会、地域団体の情報発信でお困りでしたら、お気軽にご相談ください。

ホームページを作ることだけが目的ではなく、その地域に合った情報の届け方を一緒に考えます。