岐阜県でスマート経営アドバイザーを委嘱いただいている、売れるITサービス社 代表の玉田です。
この4月から9月までの半年間、ありがたいことに多くの経営者の皆さまから「無料相談」にお申し込みいただきました。
製造業、建設業、サービス業、小売業など、業種も規模もさまざまですが、いただいたご相談の中には共通しているテーマがいくつもありました。
今回はその振り返りとして「中小企業に多い課題」と「DXの第一歩」を整理してお伝えします。
1. 更新が止まったままの公式サイト
最も多かったのが「公式サイトを何年も更新していない」というご相談です。
中には10年以上、開設当初のまま放置されているケースもありました。
一方で経営者さんに詳しくお聞きすると「普段はSNSで情報を発信しているから大丈夫だと思っていた」とのこと。
実際、SNSや広告は即効性があり情報発信の手軽さも魅力ですが、お客様が最終的に安心感を得るのは公式サイトです。
例えば、求人を出している企業の場合、応募者はSNSで企業を知った後に必ず公式サイトを確認します。
そこで情報が古かったり、代表挨拶が10年前のままになっていたりすると「今も活動している会社なのか?」と不安を与えてしまいます。
公式サイトは「名刺以上、会社案内以上」の役割を担っており、更新が止まっていることは信用の低下につながります。
2. IT担当不在による“言いなり体質”
次に多かったのが「ITに詳しい人が社内にいないので、業者の言うまま契約してしまった」という声です。
例えば、使いこなせない高額なシステムを導入してしまい、結局社内では誰も触らないままになっているケース。
また、保守費用やライセンス費用が毎月かかっているのに、具体的に何をしてもらっているのか分からないというケースも少なくありません。
これは岐阜や名古屋の中小企業に限らず全国的な課題で、ITのことを分からないまま丸投げする構造が根本原因です。
経営者がITの専門家になる必要はありませんが、
「契約の目的は何か」「どんな成果が期待できるのか」を押さえるだけでも大きく違います。
DXの第一歩とは、難しいシステム導入ではなく“自社に必要なものと不要なものを見極める力”を持つことだと感じています。
3. 広告費はかけているが成果が伴わない
「毎月50万円以上の広告費をかけているのに成果が出ない」という切実な相談も目立ちました。
広告そのものはクリックやアクセスを集めているのですが、受け皿である公式サイトやランディングページの内容が弱いためにコンバージョンにつながらない、という典型的なパターンです。
例えばある企業では、広告経由で数千人のアクセスがあっても、問い合わせ件数は月に数件。
サイトを確認すると、商品説明が簡素で、写真も少なく、会社の実績紹介もない状態でした。
お客様の立場で考えれば「この会社にお願いして大丈夫か」と迷うのも当然です。
DXとはデジタルを活用することですが、単なる流行りのツールを導入することではありません。
入口(広告・SNS)と受け皿(公式サイト)の両方を見直し、成果につなげる仕組みを作ることが重要です。
4. データ活用の不足
もう一つ顕著だったのが「データはあるが活かしきれていない」という課題です。
Googleアナリティクスや顧客管理システムを導入している企業も増えていますが、実際には「数字を見て終わり」になっているケースが多く見られました。
例えば「アクセス数は分かるけれど、どのページが売上に結びついているのかは把握していない」といった状況です。
データを活かすとは、単にレポートを見ることではなく、
「問い合わせが少ないページを改善する」「よく見られている商品をさらに強化する」といった改善施策につなげることです。
小さな取り組みでも、毎月の数字を見ながら改善を繰り返すことで大きな成果につながります。
DXの成功とは、派手な仕組みよりも地道な改善サイクルの積み重ねにあると強く感じました。
DXの第一歩は「気づき」から
半年間の無料相談を通して見えてきたのは、どの企業にも共通する“つまずきポイント”があるということです。
そして、その多くは「知らなかった」「気づかなかった」ことが原因でした。
DXの第一歩は、大きな投資や複雑なシステム導入ではありません。
「自社の現状に気づき、改善の優先順位をつけること」――これこそが出発点です。
その気づきを引き出し、経営者が安心して次の一手を踏み出せるようサポートするのが、私の役割だと感じています。
下期も引き続き無料相談を継続していきますので、ぜひお気軽にご相談ください。
一緒に“第一歩”を踏み出しましょう。
ご相談ください
「自社も当てはまるかもしれない」と思われた方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
岐阜・名古屋エリアを中心に、中小企業の伴走支援を行っています。
経営の現場に寄り添った“リアルなDX”を、一緒に形にしていきましょう。