岐阜県でスマート経営アドバイザーを務めております、売れるITサービス社 代表の玉田です。
日々、中小企業の皆さまと伴走する中でよく聞くのが「数字は見ているけれど、次に何をすれば良いか分からない」という声。
アクセス解析の本当の価値は、“見た”あとに組織がどれだけ速く・正しく動けるかにあります。

「数字で終わる」から「行動につなげる」へ

GoogleアナリティクスやSearch Consoleを導入してレポートを眺めるだけでは、経営の武器にはなりません。重要なのは次の3ステップです。

  1. 目的の明確化:売上アップ/新規獲得/リピート向上など、目的を具体化して注視すべき指標を限定する。
  2. 数字の意味を読み取る:直帰率・滞在時間・離脱率などの“背景行動”をストーリーで捉える。
  3. 改善アクションの設計:「指標Xが下がったら施策A・Bを試す」という行動リストを事前に用意し、判断を速くする。

現場で効いた改善パターン

  • 滞在時間が短い:ファーストビューのメッセージとビジュアルを再設計。要点は「何を」「誰に」「なぜ今」を3秒で伝える。ケースによっては短尺動画を挿入。
  • 検索流入が落ちた:季節性・需要期のテーマを追加し、AEO(Answer Engine Optimization)で“質問に即答”する構成へ。検索意図ごとに見出しとFAQを整備。
  • CVRが伸びない:CTAの位置・文言・遷移導線をABテスト。フォームの項目を減らし、モバイルのスクロール距離を短くする。
  • 離脱が集中するページがある:該当セクションの読み負荷(行間・段落長・専門用語)を軽量化。関連導線(関連記事/資料DL)を挿入し行き止まりを防ぐ。

ダッシュボードは「意思決定のため」に作る

部署別・週次で使えるよう、以下の3レイヤーで可視化すると機能します。

  1. 経営レイヤー:売上・LTV・主要流入経路・粗利に直結するKPIのみ(多くても5指標)。広告配分やチャネル投資の根拠に。
  2. マーケレイヤー:新規・再訪・指名/非指名・主要キーワード群・主要LPのCVRなど、次アクションが決まる粒度で。
  3. 現場レイヤー:記事/LP単位の改善タスクと担当を紐付け、週次スプリントで消化状況をトラッキング。

小さく回して早く学ぶ「改善スプリント」

おすすめは1〜2週間の短いスプリント運用です。初回は「仮説2つ+検証2本」に圧縮し、効果が出たものだけを標準化します。
改善は“数より速度”。小さく当てて、勝ちパターンを積み上げていきましょう。

よくある“つまづき”と回避策

  • レポートが重い:見る人別に指標を5つまでに厳選。集計は自動化し、会議は意思決定に集中。
  • 責任が曖昧:指標ごとに“誰が”“いつまでに”“何をするか”をチケット化。評価は実行と学習で。
  • ツール依存:ツールはあくまで計測器。数字の意味づけ(ユーザー行動の物語化)を習慣にする。

実務で使えるミニ・アクションリスト

  • 直帰率↑&滞在短い → ファーストビューの訴求を「価値提案+証拠(実績/事例)」へ差し替え
  • オーガニック新規↓ → トピッククラスター(親記事+子記事5本)で内部リンクを再設計
  • フォーム離脱↑ → 入力項目を“必須3つ”に削減、モバイルでのキーボード種別を指定
  • 資料DL率↑狙い → 上位記事の中腹に「関連ホワイトペーパー」導線を追加、DL後メールで次アクション提示

ご相談ください

アクセス解析は過去の記録ではなく、未来の行動を決める“会議の資料”です。目的を明確にし、数字の意味を物語として解釈し、あらかじめ用意した行動リストで素早く試す。
これをスプリントで回せば、限られたリソースでも成果は積み上がります。

「数字は見ているけれど次が決めきれない」「ダッシュボードがただの観賞用になっている」――そんなときは外部IT担当者として私が伴走します。KPI設計からダッシュボード構築、改善スプリントの運用まで一貫して支援します。まずは現状の数字を拝見させてください。

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