AIと仕事のこれから
第3回

AIは驚くほど賢くなった。
でも、相変わらず
人の話を聞かない。

この数か月の進化は本物。
それなのにポカミスだけは健在だ。

ここ数か月、AIの進化には本当に驚かされている。

ちょっと前まで、こちらが細かく説明しなければできなかったことが、
今では簡単な指示でできてしまう。

文章を書く、画像を作る、プログラムを組む、資料をまとめる。

しかも、その出来栄えが以前とは明らかに違う。

僕は毎日のようにAIを仕事で使っているので、この変化を肌で感じている。

正直、ここまで進化するとは思っていなかった。

ところが、ひとつだけ、どうにも進歩が感じられないことがある。

ポカミスだ。

それも、高度な技術を必要とする難しい部分ではない。

「ここは変えないで」

「この文章は残して」

「言われたところだけ直して」

そんな、ごく普通の指示が守れない。

複雑なプログラムを作れる頭脳がありながら、なぜそこを間違える?

不思議で仕方がない。

直してほしいのは、そこじゃない!

例えば、ホームページの修正。

「この部分だけ少し見やすくして」とAIにお願いする。

すると、なかなかいい感じに修正してくれる。

おお、さすがだな。

ところが、よく見ると別の部分が崩れている。

「ここは触らなくていいんだけど」

そう伝えると、すぐに理解したような返事が来る。

そして修正版を見ると、今度は別の文章が消えている。

「おいおい、今度は何をやってくれたんだ?」

こんなやり取りが何度も続く。

最初の仕事は数分で仕上げてくれたのに、修正に何十分もかかってしまう。

しかもAIは、何度注意しても実に礼儀正しい。

AIからの返答

「申し訳ありません。
ご指摘のとおりです」

この謝罪だけは、いつも完璧なのだ(笑)。

こんな社員がいたら、どうする?

ちょっと想像してほしい。

ものすごく頭のいい新人が入社してきた。

知識は豊富。

仕事は驚くほど速い。

何を頼んでも嫌な顔をしない。

一日かかるような仕事を、あっという間に仕上げてしまう。

これは頼もしい。

ところが、頼んだ仕事の一部を勝手に変更する。

注意すれば素直に謝る。

でも、また同じようなミスをする。

仕事を任せたいのに、どこかで目が離せない。

そんな社員がいたら、上司は結構大変だと思う。

しかも、この新人は数か月ごとに驚くほど能力が上がる。

昨日できなかったことが、今日はできる。

難しい仕事もどんどん覚える。

なのに、うっかりミスだけは直らない。

まさに今のAIだ。

仕事で欲しいのは、天才よりも安定感

ここで、最近よく思うことがある。

AIの進化というと、何ができるようになったかが話題になる。

より難しい問題が解ける。

より長い文章が理解できる。

より複雑な仕事ができる。

もちろん、素晴らしい進化だ。

でも、実際の仕事では少し違う。

昨日できたことが、今日も同じようにできる。

頼んだことを、余計な変更をせずに仕上げる。

間違えたら、指摘された部分を確実に直す。

そんな当たり前のことが、実はとても大切なのだ。

例えば、お客様のホームページを修正するとき。

見栄えのいいページを新しく作れることも重要だけれど、
既存のページを壊さずに一部分だけ直せることだって同じくらい重要だ。

仕事というのは、毎回新しいものを作るばかりではない。

今あるものを守りながら、少しずつ良くしていく仕事もたくさんある。

仕事で本当に大切なこと

そこに必要なのは、
派手な能力より地味な正確さだったりする。

AIの能力が上がれば上がるほど、この当たり前の部分が気になってくる。

それでも、もう手放せない

ここまで文句を書いてきたけれど、僕はAIを使わなくなることはないと思う。

それどころか、以前よりずっと使うようになっている。

プログラムの修正、文章の作成、調べ物、アイデア出し。

一人で考えていた頃と比べると、仕事の進め方そのものが変わった。

何より、思いついたことをすぐ形にできるのがいい。

以前なら、時間がないからと後回しにしていたことにも手をつけられる。

失敗することもあるけれど、それ以上に助けられている。

だから余計に惜しいのだ。

ここまで賢くなったんだから、もう少し細かいところもしっかりしてくれよ、と。

来年のAIは、どんな仕事仲間になっているだろう

この数か月の進化を見ていると、一年後のAIがどうなっているのか、想像もつかない。

今よりはるかに複雑な仕事を任せられるようになっているかもしれない。

でも僕が期待しているのは、それだけではない。

「ここだけ直して」と頼んだら、ほかは触らない。

「前と同じ形式で」と言ったら、きちんと同じ形式になる。

一度直した間違いを、また繰り返さない。

そんな、ごく普通のことを安定してできるようになってほしい。

AIが人間を超えるとか、仕事を奪うとか、そんな大きな話もいい。

でも、毎日一緒に仕事をしている僕としては、まずは目の前のポカミスを何とかしてほしいのだ。

そういえば、この記事もAIと相談しながら書いている。

なかなかいい感じに仕上がったと思う。

ただし、最後まで油断はできない。

僕の言いたかったことが、いつの間にかAIの優等生みたいな文章に書き換わっているかもしれないからね(笑)。

AIの進化は、本当に楽しみだ。

でも次の進化では、知能だけじゃなくて、
もう少し仕事の丁寧さも磨いてほしい。

それができたら、今よりずっと頼もしい仕事仲間になると思う。