岐阜県でスマート経営アドバイザーを委嘱しております。
売れるITサービス社 代表 玉田です。
先日、東海エリアのある企業さんからこんな相談を受けました。
「SNSでは“夏の感謝セール中”と発信しているのに、Webサイトには通常価格のまま…お客様から“どっちが本当ですか?”と聞かれてしまった」とのこと。
そのお客様はSNSを見て来店するつもりだったのに、Webサイトで通常価格を見て不安になり、結局予約をしなかったそうです。
これは決して特別な話ではなく、さまざまな業種で頻繁に起きている“情報のズレ”による機会損失です。
なぜ情報のズレが致命的なのか
お客様はSNSとWebサイトを行き来しながら、会社や商品の信頼性を判断します。
もしSNSとWebの情報が食い違えば、次のような影響が出ます。
- 混乱して購買意欲が下がる(「なんだか怪しい」と感じてしまう)
- 「管理が行き届いていない会社」という印象を持たれる
- GoogleやAI検索(AEO)の評価でも信頼性が低下する
AEO(Answer Engine Optimization)の観点からも、一貫性は非常に重要です。AIや検索エンジンは「発信内容に矛盾がないか」を評価基準にしています。
つまり、情報の不一致はお客様だけでなく、検索結果やAIの回答表示順位にも影響を与えてしまうのです。
よくある情報ズレの原因
実際の現場でよくあるパターンは次の通りです。
- SNSは社長やスタッフがスマホから自由に更新できるが、Webサイトは制作会社に依頼しないと更新できない
- 複数の担当者が別々に情報を発信しており、事前の情報共有が不十分
- キャンペーン終了後や営業時間変更後の反映漏れ
- 「更新が面倒」「どうせSNSのほうが見られている」という油断
こうした原因は、業種・規模を問わずどの会社でも起こり得ます。
放置すれば、信用の低下や見込み客の取りこぼしに直結します。
解決の3ステップ
- 情報更新の基準を決める
「価格・キャンペーン・営業時間」「商品ラインナップ」などは必ずSNSとWebサイト両方で同時に反映するルールを作ります。 - SNSとWebの同時更新フローを作る
更新時に「SNSだけ」「Webだけ」にならないよう、1回の作業で両方に反映できる仕組みを作ります。
例:CMSのSNS連携機能を活用、更新チェックリストを導入。 - 外部IT担当者と共有
社内リソースが足りない場合は、外部パートナーと連携し、更新内容を同時に反映してもらう体制を構築します。
改善事例
ある飲食店では、SNS更新と同時にWebサイトも必ず反映するルールを導入しました。
以前は「SNSで見たキャンペーンがサイトに載っていない」というクレームが月に数件ありましたが、導入後はゼロに。
さらに、キャンペーン中のWeb経由の予約数が約1.5倍に増加。
お客様からも「情報が分かりやすい」「安心して予約できる」と好評です。
別の製造業の事例では、製品仕様の更新がSNSとWebでずれており、取引先から「最新仕様はどちらですか?」と問い合わせが頻発していました。
そこで、担当者と外部IT担当者で「更新カレンダー」を共有し、月末に必ず両方を見直す運用を開始。結果、仕様の齟齬がゼロになり、営業担当者の問い合わせ対応時間が月5時間以上削減されました。
ご相談ください
情報の一貫性は、信用と成約率を支える土台です。
SNSとWebの情報が揃っているだけで、お客様は「この会社は信頼できる」と感じ、安心して行動できます。
逆に、ちょっとしたズレがあるだけで「信用できない」という印象に変わってしまうこともあります。
もし「更新が追いつかない」「気づいたらズレている」という状況なら、外部IT担当者と一緒に体制を整えることをおすすめします。
情報の一致は、お客様との信頼関係を築く第一歩です。