2か月後に教えるAIを、今日決めるの?

AIを勉強している間にも、AIの方が先に進んでいきます。

今回で77回。

せっかくのゾロ目なので、何かラッキーな話でも書こうかと思ったんですが、
最近のAIを見ていると、そんなにのんびりした話でもありません。

最近、AI導入の補助金だとか、AI研修だとか、AIの勉強会だとか、
やたら増えました。

2年間のサブスク。
導入支援。
研修。
勉強会。
コミュニティ。

見ていると、

「AIを導入して会社を良くする」

というより、

「AIをネタに何を売るか」

の方が先に来てない?

と思うことがあります。

もちろん、全部がそうだとは言いません。

本当に困っている会社に入って、仕事を見て、
AIを使って改善している人もいます。

でも一方で、

「AIが来たぞ」
「補助金があるぞ」
「じゃあ研修やろう」
「サブスクにしよう」
「コミュニティ作ろう」

みたいな流れも、かなり見える。

なんだかなあと思います。

僕もAI導入支援を仕事にしています。

だから余計に思うのかもしれません。

そもそも、2か月後にやるAI研修の内容を、
今日決めて大丈夫なの?

毎日使っていても、追いつかない

今のAI、そんな悠長なスピードで進んでません。

僕はほぼ毎日AIを使っています。

文章も書く。
調べ物もする。
画像も作る。
コーディングもする。
資料も作る。

それでも追いつかない。

本当に追いつかない。

半年前くらいまでは、画像生成ひとつでも結構苦労していました。

「1200×630で作って」

と言っても、そのサイズで出てこない。

結局、自分で画像編集ソフトを開いて、
トリミングして、余白を調整して、文字位置を直す。

毎回、

「そこまでやってくれんかなあ」

と思っていました。

それが今は、かなりちゃんと合わせてくる。

ちょっと前まで僕が最後に手直ししていたところまで、
普通にやってくるようになりました。

「よしよし、成長したな」

なんて上から目線で見ていたら、
気がつけばこっちが追いかける側です。

コードも「下書き」ではなくなってきた

コーディングも同じです。

少し前までは、

「AIが書いたコードだから、下書きだな」

という感覚でした。

今は違います。

HTMLもCSSも、

「あれ、これもうこのまま出せるんじゃない?」

というところまで来ることがあります。

もちろん確認はします。

僕の仕事まで全部持っていかれたら困りますからね。

AIさん、その辺はほどほどでお願いします。

でも、以前の「たたき台」から「ほぼ完成品」に
変わってきたのは確かです。

これ、何年もかかった話じゃありません。

半年くらいの話です。

今日の正解が、2か月後も正解とは限らない

だから怖いくらいなんです。

今日、

「AIではまだ無理です」

と言ったものが、2か月後には普通にできているかもしれない。

今日教えた操作方法が、
半年後には画面ごと消えているかもしれない。

今日契約したAIサービスの売りだった機能が、
数か月後には別のAIの標準機能になっているかもしれない。

そんな世界で、

何月は基礎研修。
何月はプロンプト研修。
何月は画像生成。

と、半年先まで決めていく。

ほんとにそれ、半年後もやるの?

と思ってしまう。

AIは、補助金のスケジュールに合わせて
進化してくれません。

申請締切が2か月後だからといって、
AIがそこで一旦止まって待ってくれるわけでもない。

採択される頃には、
前提そのものが変わっている可能性だってあります。

AIに、

「すみません、補助金が通るまでアップデート待ってもらえます?」

とお願いできたらいいんですけどね。

たぶん聞いてくれません。

AIを勉強することが目的になってない?

なのに、

「研修を受けて」
「覚えて」
「資格を取って」
「半年かけて導入して」

という昔ながらの考え方を、
そのままAIにも当てはめようとしている。

そこが僕はどうにも引っかかります。

AIって、そんなに丁寧に待ってくれません。

勝手に良くなる。
勝手に機能が増える。
勝手にできることが変わる。

こっちが勉強している間にも、
向こうが先へ行く。

だったら、

「AIを勉強する」

こと自体を目的にしても、
仕方ないんじゃないかと思うんです。

プロンプト100選を覚える。

毎週AI勉強会に参加する。

AIコミュニティに入る。

それで満足してどうするの。

会社の仕事、何か変わった?

見積り、早くなった?

問い合わせ対応、楽になった?

資料作成、短くなった?

毎日の転記作業、なくなった?

そこじゃないの?

一つのAIを極めなくてもいい

僕自身も、一つのAIだけを使っているわけではありません。

文章ならこれ。
調べ物ならこれ。
画像ならこれ。
コードならこれ。

その時その時で使い分けています。

別に全部の機能を覚えているわけでもない。

新しい機能が出たら、

「へえ、こんなのできるんだ」

と使ってみる。

良ければ残す。
ダメならやめる。
もっといいものが出たら変える。

それだけです。

1日16時間働いていたのが、今では嘘みたい

でも、それを繰り返していたら、
仕事にかかる時間はかなり減りました。

昔の僕は、本当に仕事ばかりしていました。

1日16時間働くなんて、珍しくなかった。

朝から仕事して、気づけば夜中。

それが普通だと思っていました。

今思うと、よくやっていたなと思います。

もちろん今も働いています。

でも、

調べる時間が減った。
文章を書く時間が減った。
コードを書く時間が減った。
画像を仕上げる時間が減った。
資料作成も早くなった。

昔の自分が見たら、

「それ、ズルくない?」

と言うかもしれません。

でも、それでいいんです。

浮いた時間まで仕事で埋めなくていい

AIを使って4時間浮いたなら、
その4時間でまた仕事を4時間増やさなくてもいい。

ここも僕は最近すごく思います。

生産性向上というと、

8時間の仕事を4時間で終わらせて、

「じゃあ、もう4時間働けますね」

って話になりがちです。

いやいや。
なんで全部仕事で埋めるの。

子どもと遊べばいい。

家族で出かければいい。

趣味をやればいい。

副業してもいい。

疲れていたら昼寝したっていい。

何もしなくてもいい。

AIで時間を取り戻したのに、
その時間までまた仕事に差し出したら、
何のためのAIなんだろう。

僕は昔、本当に仕事に時間を取られていました。

今はAIのおかげで、
少しずつ自分の時間が戻ってきた。

それは僕にとって、
売上が何%上がったとかより大きな変化かもしれません。

AI導入って、もっと単純でいいと思う

だから最近のAI研修やAI勉強会を見ると、
ちょっと思うんです。

AIを教える人を増やすことが、AI導入なのかな。

AIを勉強する人を増やすことが、AI活用なのかな。

AIで本当に会社を良くするなら、

「何を教えるか」より、
「何をやらなくてよくするか」

を考えた方がいいんじゃないか。

僕はそう思います。

補助金を使うことが目的でもない。
研修を受けることが目的でもない。
AIに詳しくなることが目的でもない。

仕事が少し楽になる。
面倒なことが減る。
早く帰れる。
家族との時間が増える。
自分の時間が戻る。

それで十分じゃないですか。

AI導入って、本当はそういう話だと思うんです。

少なくとも僕は、

「AIを教えて儲ける人」より、
「AIを使って、お客さんの仕事を一つ減らす人」
でいたいと思っています。

今回で連載、第77回。
ゾロ目だから何かいいことあるかな。
AIに聞いたら「期待はできますが、保証はできません」と言われて落ち込んでます。