何でも頼めるIT屋は、
これからどう続けるか。
気軽に相談できる関係を残しながら、
仕事としても続けていく。
「これ、ちょっと見てもらえる?」
お客さんから、そんな連絡をもらうことがある。
パソコンの調子が悪い。
メールがうまく届かない。
ホームページを少し直したい。
新しいサービスを入れたけど、設定がよく分からない。
大きな案件ではない。
でも、こういう相談が僕の仕事では結構大事だ。
なぜなら、会社のITの困りごとは、最初から大きなトラブルとして出てくるとは限らないからだ。
最初は、
「なんとなく遅い」
「ちょっと変」
「これで合ってる?」
そのくらいのことが多い。
そこで気軽に声をかけてもらえれば、小さいうちに確認できる。
逆に、
「こんなことで頼んだら料金がかかるかな」
と思われて、そのままにされると、あとから面倒になることもある。
「まず聞いてもらう」ことにも意味がある
僕は昔から、なるべく相談しやすい関係を大事にしてきた。
何でも正式な見積を出して、何分作業したからいくら。
もちろん、そういう仕事のやり方もあると思う。
でも、中小企業のIT支援では、それだけでは少し違う気がしている。
実際の現場では、
「これ、今やった方がいい?」
「このメール、大丈夫?」
「このサービス、契約しても問題ない?」
「このパソコン、そろそろ買い替えた方がいい?」
みたいな、作業になる前の相談が多い。
そして、こういう話は意外と大事だ。
少し確認すれば終わることもある。
逆に、そのまま進めると余計な費用がかかることもある。
だから僕は、
「まず聞いてもらう」
こと自体にも価値があると思っている。
「ついでにお願い」が増えてきた
ただ、最近はこの仕事の形も少し考えないといけないと思っている。
サーバー代も上がる。
クラウドサービスの利用料も上がる。
外注費も上がる。
機器の価格も上がる。
その一方で、
「これも保守のついでにお願い」
という仕事は増えている。
お客さんから見れば、それはごく自然なことだと思う。
毎月保守をお願いしているIT屋がいる。
だったら、何か分からないことがあれば、まずそこへ聞く。
僕自身も、それでいいと思っている。
むしろ、
「困ったら、とりあえず玉田に聞く」
そう思ってもらえることは、この仕事を続けてきた中で作ってきた関係の一つだと思う。
だから、何でもかんでも、
「これは別料金です」
「これは保守外です」
「見積を出します」
とやってしまうのも、僕は少し違うと思っている。
それをやりすぎれば、今度はお客さんが気軽に声をかけられなくなる。
それでは、僕が大事にしてきた関係そのものが変わってしまう。
相談と作業は、少し分けて考える
じゃあ、どうするのか。
最近は、
相談することと、実際に作業することは、少し分けて考えた方がいい。
そう思うようになった。
例えば、
これをやった方がいいのか。
今やる必要があるのか。
そのサービスを契約して大丈夫なのか。
パソコンを買い替えた方がいいのか。
こういう相談や判断は、まず気軽にしてもらう。
その先で、
実際に何時間も作業する。
複数台のパソコンを設定する。
データを移行する。
新しいシステムを作る。
現地へ行って対応する。
そこまで行けば、きちんと仕事として考える。
そのくらいが、お互いに一番分かりやすいのかもしれない。
中小企業のITは、そんなにきれいに分かれていない
ホームページだけ。
パソコンだけ。
セキュリティだけ。
AIだけ。
実際の会社の現場は、そんなにきれいに分かれていない。
ホームページの相談をしていたはずなのに、話を聞いていたらメールの問題が出てくる。
パソコンを入れ替えたら、クラウドの契約やバックアップの話になる。
AIを使いたいという話から、そもそもの仕事の流れを見直すことになる。
全部つながっている。
だから僕は昔から「何でも屋」でいいと思っている。
何でも自分で作業するという意味ではない。
分からないことがあったときに、
「まず、この人に聞いてみよう」
と思ってもらえる人。
必要なら自分で対応する。
自分より詳しい人が必要なら、そちらにつなぐ。
今やらなくていいなら、
「それ、今はやらなくてもいいですよ」
と言う。
そんな役割だ。
使い勝手のいいIT屋でいたい
「使い勝手がいい」
IT屋に対して使う言葉としては、少し変かもしれない。
でも僕は、悪い言葉だと思っていない。
気軽に聞ける。
小さなことでも相談できる。
必要なら動いてくれる。
それで長く付き合ってもらえるなら、それは一つの価値だと思う。
ただ、その関係を長く続けるためには、
何でも無料でやることでもない。
何でも細かく請求することでもない。
相談は気軽に。
必要な作業は、きちんと仕事として。
そのくらいの距離感が、これからの僕にはちょうどいいのかもしれない。
何でも頼めるIT屋。
せっかく長い時間をかけて、そう思ってもらえるようになった。
なら、その良さをなくさずに、ちゃんと続けられる形を考えていきたい。
