連載|地方企業のリアルIT相談室 第54回
資料は完璧。でもカバンを忘れた。
昨日は朝から、お客様への訪問でした。
前日に資料を準備し、請求書も作成し、忘れ物がないように確認したつもりでした。
その「つもり」が、落とし穴でした。
普段乗っている車から別の車へ乗り換え、そのままお客様のもとへ向かいました。
30分ほど走り、到着して車を降りた瞬間に気付きました。
「あれ、カバンがない。」
資料もパソコンも請求書も、全部、乗り換える前の車の中です。
「何やってんだ、僕は……。」
そう思いながら、来た道を引き返しました。
途中で気付かなかったのが不思議なくらいですが、振り返ってみると、
その日はずっと別のことを考えながら運転していました。
頭の中では、もうカバンを積み替えたことになっていたんでしょうね。
実際には積んでいないのに、「やったはず」と思い込んでいた。
忘れたというより、思い込んでいた
最近は、歯医者の予約日を勘違いしたり、お客様への訪問日を思い違いしたり、
小さなミスが続いています。
最初は、年齢のせいかなとも思いました。
でも、よく考えてみると、どれも単純に忘れたというより、「そうだと思い込んでいた」
ことが原因でした。
予定を確認したつもり。
カバンを積んだつもり。
自分の頭の中では、すでに終わったことになっている。
だから、途中で疑うこともありませんでした。
システムの事故も「つもり」から始まる
この仕事をしていると、システムトラブルの原因を調べることがあります。
すると意外と多いのが、「確認したつもりでした」というケースです。
バックアップを取ったつもり。
メールを送ったつもり。
設定を変更したつもり。
動作確認をしたつもり。
人は、悪気があってミスをするわけではありません。
むしろ本人は、きちんとやったと思っていることもあります。
だからこそ、システムには確認画面があり、現場にはチェックリストがあります。
人を信用していないからではありません。
人は必ず思い込むことがあると分かっているからです。
仕組みは、人を責めるためではなく、
人の思い込みを補うためにあります。
数秒の確認で、30分の遠回りを防ぐ
今回は、お客様にもご迷惑をお掛けしてしまいました。
せっかく資料も用意して、請求書も作っていたのに、肝心のカバンを置いてきた。
本当に、何をやっているんだという感じです。
でも、取り返しのつかない失敗ではありませんでした。
もしかすると、「一度立ち止まって、ちゃんと確認しなさい」
と教えてもらったのかもしれません。
これからは車を乗り換えるとき、出発する前に一呼吸置いて確認しようと思います。
カバン。
パソコン。
スマートフォン。
たった数秒の確認が、30分の遠回りを防いでくれる。
そんな当たり前のことを、改めて教えてもらった一日でした。
