入口は作った。それでも、新しいお客様には届かない。
長く付き合うほど価値が出る。
でも、その価値を最初に伝えるのが難しい。
地方企業のリアルIT相談室も、今回で79回目です。
うちでは長く「ITよろず相談」を掲げています。
ホームページ、パソコン、メール、サーバー、ネットワーク、
セキュリティ、SNS、最近ではAIまで。
「これ、どこに聞けばいいんだろう」
そんな時に、まず相談してもらえる会社でありたいと思ってやってきました。
実際、長くお付き合いしているお客様との間では、
この形はかなり機能しています。
パソコンの調子が悪い。
メールが届かない。
ホームページを少し直したい。
新しいサービスを導入したい。
業者から見積もりが来たけれど、この内容でいいのか見てほしい。
相談の内容は本当にさまざまです。
それでも、
「とりあえず聞いてみよう」
と思ってもらえる。
ITよろず相談という仕事の価値は、そこにあると思っています。
ただ、最近ずっと悩んでいることがあります。
何もしていないわけではない
もちろん、ただ待っているわけではありません。
ITよろず相談の内容を知ってもらうためのページも作りました。
サービスごとの案内も用意しています。
広告も出しています。
ホームページ制作、IT相談、AI導入支援、セキュリティなど、
入口になりそうなものもいくつか作ってきました。
それでも、新規のお問い合わせが思ったように増えるわけではありません。
ホームページを作れば問い合わせが来る。
LPを作れば問い合わせが増える。
広告を出せば仕事につながる。
そんなに単純な話ではないことを、改めて感じています。
既存のお客様には伝わっている
不思議なのは、サービスそのものに手応えがないわけではないことです。
長く付き合っていただいているお客様からは、
ホームページ以外のことも普通に相談されます。
むしろ、最初に依頼された仕事とは違う相談の方が
増えている会社もあります。
それは、これまで一緒に仕事をしてきた中で、
「この人なら話が通じる」
「分からないことでも一緒に考えてくれる」
「違う分野なら、違うと言ってくれる」
そんな安心感を持っていただけたからだと思います。
だから、ITよろず相談という考え方そのものが
間違っているとは思っていません。
初めて相談する会社に、何を期待するのか
初めてIT業者を探している会社からすれば、
「何でも相談できます」
と言われても、なかなか判断できません。
本当に何でも分かるのか。
どこまで頼めるのか。
費用はいくらなのか。
相談したら営業されるのではないか。
そもそも信用していい会社なのか。
こちら側から見れば「気軽に相談してください」と思っていても、
相談する側にはそれなりのハードルがあります。
特に中小企業のITは、一度頼んだら長く付き合うことになるケースも
少なくありません。
だからこそ、最初の一歩は意外と重い。
広告でページを見てもらうところまではできても、
ホームページ制作も、入口になりにくくなった
うちの場合、これまではホームページ制作が
新しいお客様との大きな入口でした。
ホームページを作る。
↓
保守を任せてもらう。
↓
メールやパソコン、サーバー、ネットワークの相談へ広がる。
そんな形で長くお付き合いしているお客様が何社もあります。
でも、そのホームページ制作自体の環境も大きく変わりました。
簡単に作れるサービスが増えました。
テンプレートも豊富です。
AIを使えば文章も画像も作れます。
以前なら専門業者に頼んでいたことを、
社内で対応できる場面も増えています。
これは利用する企業にとっては良い変化です。
一方で、僕らのようなIT支援会社からすると、
これまで新しいお客様と出会うきっかけだった仕事が、
少しずつ変わってきていることでもあります。
足りないのは、もう一つのサービスなのか
では、さらに新しいサービスを作ればいいのか。
新しいLPを作るのか。
広告を増やすのか。
SEOを強化するのか。
もちろん、そうした施策も必要だと思います。
でも最近は、それだけではないような気がしています。
長く付き合っていただいているお客様との関係を見ていると、
最終的に選ばれている理由は、サービス一覧だけでは説明できません。
困った時に相談できる。
話を聞いてもらえる。
必要のないものまで勧められない。
会社の事情を分かった上で考えてもらえる。
そういうものは、LPの一画面や広告の短い文章だけでは、
なかなか伝わりません。
でも新規のお客様には、まずそこで判断してもらう必要があります。
今、僕らが一番考えなければならないのは、
そこなのかもしれません。
新しいお客様との出会い方を考え直す
ITよろず相談をやめようとは思っていません。
むしろ、長くお付き合いしているお客様を見ていると、
これからも大切にしたい仕事です。
ただ、
「何でも相談できます」
と伝えるだけでは、新しいお客様との出会いには
なかなかつながらない。
ページも作った。
広告も出した。
それでも難しい。
だから今は、サービスそのものだけではなく、
を考え直す時期に来ているのだと思います。
答えは、まだ出ていません。
でも、それを考え続けることも、
今の僕らの仕事の一つなのかもしれません。
