59歳になって思うこと。

また一つ歳を重ねました。59歳です。
若い頃に思い描いていた59歳とは、ずいぶん違う毎日を過ごしています。

また一つ歳を重ねました。59歳です。

若い頃は、この年齢になったらもっと落ち着いているものだと思っていました。

何でも知っていて、人生経験も豊富で、少々のことでは動じない。

休日は趣味を楽しみながら、どっしり構えている。

そんな「大人の59歳」を勝手に想像していた気がします。

いや、もっと正直に言えば、59歳くらいになったら現役を引退して、のんびり隠居生活をしているつもりでした。

朝はゆっくり起きて、田んぼや畑を眺めながら過ごす。

たまには夫婦で旅行に行って、好きな本を読む。

「昔はいろいろあったなぁ」なんて話をしながら、穏やかに毎日を過ごしている。

そんな59歳を思い描いていたんです。

ところが現実はどうでしょう。

AIの話をして、Excelの表とにらめっこをして、ホームページの改善を考えて、「このメール、本物ですか?」という相談を受けています。

「パソコンの調子がおかしいんだけど。」

「Wi-Fiがつながらなくて。」

「ChatGPTってどう使うの?」

そんな電話が鳴って、「ちょっと見てもらえますか?」と言われれば車を走らせる。

昔想像していた59歳とは、ずいぶん違います。

もっと仙人みたいになっていると思っていたんですけどね(笑)。

走り続けてきた仕事の時間

若い頃、僕はシステム会社でエンジニアとして働いていました。

納期に追われ、夜遅くまでパソコンに向かい、とにかく目の前の仕事をこなすことに必死でした。

徹夜もありましたし、「何とか間に合わせる」が当たり前の時代でした。

あの頃の自分にとって、59歳なんて遥か先の話です。

正直、「そんな歳になる自分」は想像できませんでした。

その後、広告代理店の案件や、大企業、大学、公共機関の仕事にも関わる機会をいただきました。

流行を作る側にいた時代もありました。

新しい技術やサービスに触れ、時代の変化の真ん中にいるような感覚もありました。

でも、独立して地域の企業の現場に入るようになってから、仕事の見え方が少し変わりました。

ホームページの相談だと思って伺ったはずが、いつの間にか経営の話になっている。

AIの話をしていたと思ったら、人材の悩みを聞いている。

「誰に相談していいか分からなくて。」

そんな言葉をいただくことも少なくありません。

結局、仕事というのは人と人との関わりの中にあるんだなと思うようになりました。

どれだけ技術が進歩しても、最後は「この人に話してみよう」と思っていただけるかどうか。

そんな当たり前のことを、59歳になった今、改めて感じています。

ITと農業、どちらも自分の一部

父が残してくれた田んぼや畑もあります。

子どもの頃は、正直なところ農作業はあまり好きではありませんでした。

友達と遊びたいのに手伝いに呼ばれる。

「なんで自分ばっかり」と思ったこともあります。

でも今では、不思議と体が動きます。

田んぼの様子を見に行き、草を刈り、土に触れる。

春先の土の匂いを感じると、どこか安心する自分がいます。

ITの仕事をしている自分と、農業をしている自分。

昔は結びつかないと思っていましたが、どちらも今の自分を形作っている大切な時間です。

59歳でも、まだ学んでいる

AIが当たり前になった今の時代も、若い頃には想像もできませんでした。

ChatGPTやGeminiの使い方をお客様と話しているなんて、当時の自分が聞いたら驚くと思います。

59歳になっても、分からないことはたくさんあります。

新しいサービスが出れば使ってみる。

失敗する。

「これ、どういうことだろう」と調べる。

また誰かに教えてもらう。

そんなことの繰り返しです。

若い頃は、正解を探していたように思います。

でも今は、正解よりも、一緒に歩いてくれる人のほうが大切なのかもしれないと思っています。

技術は変わります。

常識も変わります。

昨日までの当たり前が、今日には古くなることもあります。

それでも、人を大切にすることだけは、あまり変わらない気がしています。

本当は隠居したかったんです。

でも、不思議なことに嫌いじゃないんですよね。

誰かに頼られて、「ちょっと見てもらえますか?」と言われること。

一緒に悩んで、一緒に考えて、「ありがとう」と言っていただけること。

結局、そういう時間が好きなんだと思います。

次の世代へ残していくもの

次の世代の子どもたちに、何を残せるだろう。

地域の子どもたちが安心して暮らせる未来のために、自分にできることは何だろう。

そんなことを考える時間も増えました。

59歳になっても、まだ分からないことだらけです。

でも、それが案外面白い。

明日もまた「ちょっと見てもらえますか?」という電話が鳴って、どこかへ走っているんだと思います。

そんな59歳のスタートです。