Webの運用は、公開して終わりではありません。
前回の「運用こそが成果を決める」でお伝えしたように、改善・検証・更新のサイクルを続けることが成果の鍵です。
今回からは、実践的な“運用の方法”をテーマにした「実践編(全6回)」がスタートします。

前シリーズ(基礎編)の振り返り

これまでの「Web制作の基礎シリーズ(全6回)」では、Webサイトを“作る”前に整えるべき基盤を一歩ずつ解説してきました。
目的を明確にし、構成を設計し、整える力を身につけ、読みやすさと表現力を高めてきた流れです。

今回の第7回からは、これらの基礎を実際の運用に落とし込み、「Webサイトを育てる実践力」に焦点を当てていきます。

数字の確認は「終わり」ではなく「はじまり」

アクセス数や滞在時間は、いわばWebサイトの体温計。
数字だけを見ても“なぜ”が分からないのは当然です。
重要なのは「変化の理由」を探ること。
例えば、問い合わせページのアクセスが減った場合、フォームの位置変更、訴求文、トップページからの導線、あるいは季節要因まで――
その背景を観察することが改善の第一歩です。

数字の“背景”を観察する力

成果を出す企業の共通点は、“数字と現場の動きを結びつけて見ている”ことです。
SNSの投稿、展示会出展、チラシ配布などのリアルな活動とWebアクセスを照らし合わせてみると、
「数字の波の理由」が浮かび上がります。
解析は数字を読むことではなく、現場の“動き”を見つけることです。

数字ではなく「気づき」を記録する

毎月のアクセスレポートを“報告資料”にしてしまうと、改善のきっかけを逃します。
そこでおすすめなのが「気づきメモ」。
たとえば次のように記録するだけでも、運用の質が変わります。

  • Instagram投稿と同時にアクセスが急増(写真のテーマと関係あり)
  • 料金ページの滞在時間が減少 → 訴求文を変更した週と一致
  • 検索流入は横ばいだが、直帰率が改善 → コンテンツの読みやすさ向上

こうした「気づき」を毎月積み重ねていくことで、
自社サイトの“行動パターン”が見えてきます。
数字を集めるより、気づきを育てることが大切です。

ツールより“観察眼”が成果をつくる

GA4やClarityなどのツールはあくまで補助。
最も大事なのは、それをどう読み取るか。
チームで「数字報告」ではなく「気づき共有」を習慣にすることで、
社内に“観察の文化”が生まれます。
成果はツールではなく、人の観察力から生まれるのです。

次回予告|改善テーマを“数字”で見つける3ステップ

次回(第8回)では、数字から「何を改善すべきか」を見つけるための具体的な手順を解説します。
仮説 → 検証 → 更新という3ステップを実例で紹介し、数字を“行動の指針”に変える方法を掘り下げます。
引き続き「実践編(全6回)」を通して、Webサイトを“動かす運用力”を一緒に育てていきましょう。

ご相談ください

アクセス解析の数字を“確認”で終わらせず、“改善のヒント”に変えていく仕組みを作りましょう。
「どこを見ればいいか分からない」「定例報告がマンネリ化している」――そんなときは、ぜひご相談ください。


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