Webの運用は、公開して終わりではありません。
前回の「運用こそが成果を決める」でお伝えしたように、改善・検証・更新のサイクルを続けることが成果の鍵です。
今回からは、実践的な“運用の方法”をテーマにした「実践編(全6回)」がスタートします。
前シリーズ(基礎編)の振り返り
これまでの「Web制作の基礎シリーズ(全6回)」では、Webサイトを“作る”前に整えるべき基盤を一歩ずつ解説してきました。
目的を明確にし、構成を設計し、整える力を身につけ、読みやすさと表現力を高めてきた流れです。
- 第1回|Web制作の目的を、もう一度考える…「なぜ作るのか?」という目的の再確認。
- 第2回|構成と導線設計が9割…「どう見せるか・どう導くか」の設計論。
- 第3回|デザインよりも“整える力”…見た目よりも“伝わる構造”を重視。
- 第4回|手持ちのデバイス対応と“読みやすさ”設計…誰にでも届く、読みやすさの設計。
- 第5回|文章と写真で“伝わる”をつくる…言葉とビジュアルの一体設計。
- 第6回|運用こそが成果を決める…公開後に成果を生む「改善→検証→更新」サイクルの重要性。
今回の第7回からは、これらの基礎を実際の運用に落とし込み、「Webサイトを育てる実践力」に焦点を当てていきます。
数字の確認は「終わり」ではなく「はじまり」
アクセス数や滞在時間は、いわばWebサイトの体温計。
数字だけを見ても“なぜ”が分からないのは当然です。
重要なのは「変化の理由」を探ること。
例えば、問い合わせページのアクセスが減った場合、フォームの位置変更、訴求文、トップページからの導線、あるいは季節要因まで――
その背景を観察することが改善の第一歩です。
数字の“背景”を観察する力
成果を出す企業の共通点は、“数字と現場の動きを結びつけて見ている”ことです。
SNSの投稿、展示会出展、チラシ配布などのリアルな活動とWebアクセスを照らし合わせてみると、
「数字の波の理由」が浮かび上がります。
解析は数字を読むことではなく、現場の“動き”を見つけることです。
数字ではなく「気づき」を記録する
毎月のアクセスレポートを“報告資料”にしてしまうと、改善のきっかけを逃します。
そこでおすすめなのが「気づきメモ」。
たとえば次のように記録するだけでも、運用の質が変わります。
- Instagram投稿と同時にアクセスが急増(写真のテーマと関係あり)
- 料金ページの滞在時間が減少 → 訴求文を変更した週と一致
- 検索流入は横ばいだが、直帰率が改善 → コンテンツの読みやすさ向上
こうした「気づき」を毎月積み重ねていくことで、
自社サイトの“行動パターン”が見えてきます。
数字を集めるより、気づきを育てることが大切です。
ツールより“観察眼”が成果をつくる
GA4やClarityなどのツールはあくまで補助。
最も大事なのは、それをどう読み取るか。
チームで「数字報告」ではなく「気づき共有」を習慣にすることで、
社内に“観察の文化”が生まれます。
成果はツールではなく、人の観察力から生まれるのです。
次回予告|改善テーマを“数字”で見つける3ステップ
次回(第8回)では、数字から「何を改善すべきか」を見つけるための具体的な手順を解説します。
仮説 → 検証 → 更新という3ステップを実例で紹介し、数字を“行動の指針”に変える方法を掘り下げます。
引き続き「実践編(全6回)」を通して、Webサイトを“動かす運用力”を一緒に育てていきましょう。
ご相談ください
アクセス解析の数字を“確認”で終わらせず、“改善のヒント”に変えていく仕組みを作りましょう。
「どこを見ればいいか分からない」「定例報告がマンネリ化している」――そんなときは、ぜひご相談ください。

