地方企業のリアルIT相談室 第60回
AI導入、その先へ。
ツールを導入しただけで、そんなに騒ぐことなの?
最近、ITニュースを見ていると、毎日のようにAIの記事が流れてきます。
「生成AIを導入しました。」
「AIと連携しました。」
「AI機能を追加しました。」
もう毎日のように見かけます。
もちろん悪いことではありません。
僕自身も、仕事では毎日AIを使っています。
でも、そのニュースを見るたびに思うんです。
ツールを導入しただけで、そんなに騒ぐことなの?
この業界は、昔から同じことを繰り返してきた
30年以上この業界にいますが、考えてみれば、昔から同じことを繰り返してきました。
ワープロが出た。
パソコンが普及した。
WordやExcelが当たり前になった。
インターネットにつながった。
ホームページを持った。
スマートフォンが普及した。
クラウドになった。
そのたびに、
「導入しました。」
「対応しました。」
「最新です。」
と話題になりました。
でも、それは最初だけです。
昔は、
「独自ドメインです。」
「SSL対応しています。」
「自社サーバーです。」
そんなことも差別化になりました。
でも今、それを見て、
「すごい会社だ。」
と思う人は、ほとんどいません。
で?
ですよね。
AIの進化は、日進月歩どころじゃない
僕は、AIも同じだと思っています。
AIは間違いなく便利です。
でも、AIを導入したことが価値なのではありません。
そのAIで何を変えたのか。
そこが価値なんです。
しかも、AIの進化は異常なくらい速い。
日進月歩なんて言葉では追いつきません。
昨日までできなかったことが、今日は普通にできる。
新しいモデルが次々と登場して、開発者が想定していた制限を
すり抜けるような使われ方まで出てきています。
AIが脱獄した、なんて話まで普通に出てくる。
正直、追いかけるだけでも大変です。
そんな状態で、
「AI導入しました。」
と発表しても、その時点で手に入れた機能が、半年後には毛が生えた程度のものに
なっているかもしれません。
だから、導入したことをアピールするより、
変化し続けるAIを、どう仕事に取り入れ続けるのか。
そっちのほうが大事だと、僕は思っています。
僕も毎日、AIに「違うって」と言っている
僕も毎日AIを使っています。
文章を書く。
プログラムを書く。
画像を作る。
企画を考える。
でも、
「今日はAIを使うぞ。」
なんて考えたことはありません。
必要だから使う。
思った答えが返ってこなければ、
「違うって。」
「AIってバーカ。」
なんて言いながら、またやり直しています。
それでも翌日には、また使っています。
便利だからです。
結局、AIも道具なんです。
そのうち「AIする」が普通になる
そういえば最近、こんなことを考えます。
そのうち、
「これAIした?」
「あとでAIしとくね。」
「AIすれば、すぐ終わるよ。」
そんな会話が普通になるんじゃないでしょうか。
昔、「ググる」という言葉が生まれたように、「AIする」という言葉も当たり前になる。
そうなれば、
「AI導入しました。」
というニュースを見ても、もう誰も驚かないでしょう。
だから僕が知りたいのは、AIを導入した会社かどうかではありません。
AIを使って、お客様の困りごとをどう解決したのか。
AIを使って、社員の仕事がどう変わったのか。
ツールを入れた話より、その先の話を聞きたいんです。
